オルコア(歯周病)唾液検査とは

唾液のPCR検査

オルコア検査専用のブラシを歯間に通して唾液を採取します。 この際痛みは全くありません。唾液をPCR検査することで、口腔内に歯周病の原因となる細菌がいるかを最短45分で調べることができます。

歯周病の原因を調べる

歯垢や歯石だけが歯周病の原因となるわけではありません。歯周病は細菌による感染症に分類されます。つまり、歯周病になるか、進行するかどうかは、菌に対する歯ぐきの「抵抗力」と菌の「病原性」によって決まります。極端な例でいうと、口腔内に病原性の高い菌(PG菌、TD菌、TF菌)がいれば、歯磨きなどの口腔内ケアが万全でも、歯周病が進行してしまうケースもあります。口腔内にPG菌、TD菌、TF菌がいるかどうかは、その後の治療方針に大きく影響するため、オルコア検査にてその有無を調べます。

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歯周病の原因菌

歯周病の原因となる細菌は様々です。棲んでいる細菌の種類によって、歯周病のリスクは大きく異なります。特にPG菌、TD菌、TF菌とよばれる3種類の細菌の歯周病発症リスクが高く、危険といわれています。PG菌、TD菌、TF菌の3種類が揃ってしまうと、単独では持てない代謝経路を持つようになるため、歯周病発症リスクがなんと12倍にも膨れ上がります。

PG菌とは?

歯周病の菌のなかで最も危険

最も歯周病に影響するといわれているのがPG菌です。PG菌は口腔内に生息し、歯垢や歯肉溝に棲んでいます。この細菌が増殖すると、周囲に存在する他の菌にも影響を与え、歯ぐきの炎症を引き起こし、最終的には歯周病の進行を促進します。
PG菌が歯周病の原因とされる理由の一つは、歯垢中の細菌が歯ぐきに侵入し、免疫反応を引き起こすことです。PG菌は独特なタンパク質を産生し、免疫系を欺くことで自らの存在を隠匿します。これが炎症を悪化させ、歯周病の進行を加速させる要因となります。

なぜオルコア検査が必要?

歯周病の効率的な治療計画が可能

PG菌、TD菌、TF菌がそれぞれ存在しているかどうかによって、歯周病治療の難易度、つまり治療内容・治療期間・治療後の来院間隔などの方針を正しく決めることができます。
前述した通り、歯周病は細菌による感染症です。しかし、歯科では細菌検査をせずに症状による診断・治療をすることが一般化しています。当院では、口腔内の細菌検査をすることで、患者様が持っている菌の病原性に合わせて、適切で無駄のない治療計画を提案いたします。

正確な診断が可能

PG菌、TD菌、TF菌の有無を確認することで歯周病の具体的な原因を明確に把握できます。

個別化された治療計画の立案が可能

患者がPG菌、TD菌、TF菌のいずれかまたは全てを保有している場合、それに基づいて個々に合わせた治療計画を策定できます。これにより、治療の効果が向上します。

不必要な処置の回避

PG菌、TD菌、TF菌の検査を通じて患者に本当に必要な治療を提供でき、不必要な処置やコストを避けることができます。

治療の方向性を的確に設定

PG菌、TD菌、TF菌の情報を元に歯周病の進行に対するリスクを把握し、それに基づいて治療方針を的確に設定することができます。